この記事では、子供の健康にとってビタミンB12がどのような効果があるのか、どの程度の摂取が必要か、どのようにして摂取すればよいのかなど、詳しく解説します。
特徴

ビタミンB12の特徴は以下の4つです。
- 水溶性のビタミン
- 健康な血液に欠かせない
- 赤血球と同じ赤色をしている
- 肉類や魚類など動物性の食品に含まれていて不足しにくい
それぞれの特徴について詳しく解説します。
水溶性のビタミン
ビタミンB12は水溶性のビタミンです。水に溶けやすい性質を持っています。
健康な血液に欠かせない
赤血球を生成する時に働くのがビタミンB12です。また、悪性貧血の予防に必要不可欠なものなので、健康な血液には欠かせないものです。
赤血球と同じ赤色をしている
ビタミンB12はミネラルの一種であるコバルトを含んでいます。コバルトは、悪性貧血を予防する働きがあり、赤い色をしています。コバルトが赤い色をしていることによって、コバルトを含んでいるビタミンB12の色も赤色をしていると考えられているのです。
肉類や魚類など動物性の食品に含まれていて不足しにくい
ビタミンB12は、肉類や魚類などの食品に多く含まれます。植物性の食品にはほとんど含まれていません。このため、野菜しか食べないような生活を送っているとビタミンB12は不足しがちになりますが、普通の食生活を送っていれば不足しにくいです。
ビタミンB12の吸収過程

ビタミンB12の吸収過程は以下の通りです。
- 胃酸がビタミンB12をタンパク質から切り離す
- 胃の中で産生された内因子と呼ばれるタンパク質とビタミンB12が結合
- 体内へ吸収される
ビタミンB12はタンパク質と結合した状態です。食べ物を口に入れると胃まで到達します。その際、胃酸が食品中のビタミンB12をタンパク質から切り離します。その後、胃の中で産生された内因子と呼ばれるタンパク質とビタミンB12が結合し、体内に吸収されるのです。
ビタミンB12の働き

ビタミンB12の働きは以下の通りです。
- 多数の体内組織の機能や発達を正常に維持する
- 赤血球の形成を助ける
- 酵素をサポートする
それぞれの働きについて解説します。
多数の体内組織の機能や発達を正常に維持する
ビタミンB12は多数の体内組織の機能や発達を正常に維持する働きがあります。
タンパク質やアミノ酸、DNAやRNAの合成を助ける手助けをしたり、神経機能の維持や改善など、ビタミンB12が関わっています。
赤血球の形成を助ける
ビタミンB12は、赤血球中のヘモグロビンの生成を手助けしています。つまり、ビタミンB12は、赤血球中のヘモグロビンの生成を手助けしています。つまり、血液を作るのに重要な役割があるのです。があるのです。
酵素をサポートする
細胞が分裂する時に不可欠な補酵素がビタミンB12です。ヘモグロビンは、血液中の赤血球と結合し、酸素を運ぶ役割をしていますが、このヘモグロビンを助けるのがビタミンB12です。
不足することによる影響

不足するとどのような影響があるのでしょうか。現れる症状は以下の4つです。
- 神経に障害が起こる(しびれや、手足のチクチクする痛み)
- 食欲不振
- 貧血
- 発育障害
それぞれの症状について説明します。
神経に障害が起こる(しびれや、手足のチクチクする痛み)
ビタミンB12が不足すると、末梢神経に障害が生じます。手足がしびれたり、チクチクする痛みが発生することがあるのです。
手足に違和感があるという時には、もしかするとビタミンB12不足が招いている症状かもしれません。
食欲不振
ビタミンB12が不足すると、倦怠感が出てきます。倦怠感によって食欲がわかない状態になるのです。ひどくなると体重が極端に減少し、衰弱してしまいます。
貧血
ビタミンB12は血を作るのに必要不可欠なので、不足すると貧血に陥ってしまうでしょう。
発育障害
子供にビタミンB12が不足している場合、発育障害や発育の遅延などの症状が現れます。
一般的な日本人の栄養状態

一般的な日本人のビタミンB12の摂取の基準は以下の通りです。
<ビタミンB12の食事摂取基準 (μg/日) 1>
年齢 | 男性推奨量(RDA) | 男性目安量 (AI) | 女性推奨量(RDA) | 女性目安量 (AI) |
0~5 (月) | ― | 0.4 | ― | 0.4 |
6~11 (月) | ― | 0.5 | ― | 0.5 |
1~2 (歳) | 0.9 | ― | 0.9 | ― |
3~5 (歳) | 1.1 | ― | 1.1 | ― |
6~7 (歳) | 1.3 | ― | 1.3 | ― |
8~9 (歳) | 1.6 | ― | 1.6 | ― |
10~11 (歳) | 1.9 | ― | 1.9 | ― |
12~14 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
15~17 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
18~29 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
30~49 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
50~64 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
65~74 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
75以上 (歳) | 2.4 | ― | 2.4 | ― |
2019 (令和元) の国民健康・栄養調査によると、男性で平均6.9μg/日、女性で平均5.7μg/日。男女とも推奨量を充たしていることが分かります。
十分摂取することで期待できる効果,予防できること

ビタミンB12を十分摂取することで、以下の2つの効果や予防が期待できます。
- 神経の機能を正常に保つ
- 疲労や体力低下を引き起こす貧血の一種である巨赤芽球性貧血の予防
ビタミンB12を十分接種していると、神経の機能を正常に保つことができるため、神経痛や神経麻痺など神経に障害が起きることを防げます。
また、不足すると貧血になる恐れがありますが、十分ビタミンB12を補っていると、疲労や体力低下を引き起こす貧血の一種である巨赤芽球性貧血の予防となります。
摂取する上での注意点

ビタミンB12を摂取する上での注意点が2つあります。
- 植物性の食品にはほとんど含まれていない
- 動物性食品を食べられない人は、海藻類などの食品で摂取
一つ目の注意点は、植物性の食品にはほとんど含まれていないことです。
ビタミンB12は肉類や魚類など動物性の食品に含まれています。野菜や果物にはほとんど含まれていません。ただし例外として、もやしには含まれています。
ベジタリアンの人は、ビタミンB12不足になりやすい傾向があります。また、ベジタリアンのお母さんの母乳しか飲まずに育っている乳児は、ビタミンB12不足になる危険性が高いです。
食事での具体的な推奨摂取量と方法

ビタミンB12を含む食品を紹介します。
商品名 | 加工状態 | 含有量 |
しじみ10個 | 生 | 68.4μg |
牛レバー1人前 | 生 | 52.8μg |
あさり中身1個 | 生 | 52.4μg |
さんま(皮付き) | 生 | 16.2μg |
プロセスチーズ1切れ | 3.2μg | |
牛乳 | 0.3μg |
成人女性・男性ともに1日に必要なビタミンB12は、2.4μgなので、野菜や肉などバランスよく毎日食べていると不足することはないでしょう。今日は魚も肉も食べていないという時など、プロセスチーズを1個食べれば十分な量が摂取できます。
特に多く含んでいるのは、貝類やレバーです。
子供が食べやすくするには、
- カキ×ほうれん草のグラタンやシチュー
- バターソテーにしたり、グラタンやシチューにするとカキの臭みが解消されるので、子供でも食べやすいです。
- レバー×サラダ
レバーの口当たりが苦手な子どもも多いですが、レバーを揚げると食べやすくなります。野菜とあわせてドレッシングをかけるとビタミンが豊富に摂取できてバランスの良い食事メニューになるでしょう。
サプリでの具体的な推奨摂取量

食品だけではビタミンB12が十分摂取できないかもしれないと不安があるならサプリメントの使用がおすすめです。
子供でも食べやすいサプリメントは以下の通りです。
- ぐんのび!いちご風味
- こどものリパミン PS
ぐんのび!いちご風味

価格:¥794 内容量:140g 14杯分
ぐんのび!は、1日1杯で1日分のカルシゥム 99%をチャージできます。ビタミンB12も摂取可能。ミルクなどに混ぜて飲むドリンクタイプで飲みやすさ抜群です。
こどものリパミン PS

価格:¥3,240 内容量:108粒
こどものリパミンPSは、集中や記憶、行動の落ち着きなどに役立つとして注目を浴びているホスファチジルセリン(PS)がぎゅっと詰まっています。1日に1~2粒を目安に、良く噛んで飲めばOK。
まとめ

ビタミンB12は肉類や魚類に多く含まれています。
体内で多く必要とする栄養素ではないため、沢山の量が毎日必要になるわけではないですが、不足すると、神経障害を起こしたり、貧血を起こすことがあります。野菜や果物にはビタミンB12は含まれていません。
そのため、野菜しか食べないお母さんの母乳を飲んでいる乳児、肉や魚を食べない子どもなどは不足する可能性が高いです。
不足が考えられる場合には、サプリメントを使用すると手軽にビタミンB12を摂取できます。
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