子どもにビタミンCは効果があるの?正しい摂取量と摂取方法を徹底解説!
ビタミンCといえば、レモンなどに多く含まれているというイメージがありますよね。しかし、実際には柑橘系の果物以外にもさまざまな食品に含まれているのをご存じでしょうか。
この記事では、ビタミンCの効果や必要量、効率的な摂取方法などについて解説していきます。
ビタミンCとは?どんな特徴のある栄養素?

水溶性ビタミンの一種であるビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱い性質を持つビタミンです。
体内で合成できるビタミンも多いなか、ビタミンCは体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。
「抗酸化物質」としての作用を持つほか、血管や骨を丈夫にしたり貧血を予防したりするなど、非常に多くの役割を担っています。
[抗酸化物質とは?]
動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす「活性酸素」の過剰発生やその働きを抑制したり除去したりする物質のことを言います。
ビタミンCの吸収過程

ビタミンCは主に小腸から吸収され速やかに血液中に送られますが、食事から摂取してもサプリメントから摂取しても体で利用される比率に差はないとされています。
また、ビタミンCの摂取量が1日200 mg程度までは 90%、1,000mg以上になると 50% 以下の吸収率となることが報告されています。このことなどから、ビタミンCを1日1,000mg以上を摂取することについては意味がないと考えられています。(*1)
ビタミンCが不足することによる体への影響

ビタミンCが不足すると倦怠感や疲労感、気力の低下などが出現します。
さらに不足状態が長期化すると、欠乏症と呼ばれる「壊血病」を引き起こす可能性があります。
[壊血病とは?]
ビタミンCが欠乏することで起こる病気のことです。皮下出血や歯肉出血、貧血、筋肉量の減少、心臓障害などの症状を引き起こします。
しかし、ビタミンC を1日当たり10mg 程度摂取していれば欠乏症(壊血病)は発症しないとも言われています。(*2)
そのため、通常の食事が摂れているようであれば、壊血病までになってしまう心配はあまりないと言えますね。
ビタミンCを十分摂取することで期待できる効果・予防できること

抗酸化物質としても知られるビタミンCは、私たちにとってさまざまな効果をもたらしてくれます。
ここでは、ビタミンCを十分摂取することによって期待できる効果について、詳しく解説していきましょう。
免疫力を高める
ビタミンCは、活性酸素の発生を抑えたり除去したりしてくれる「抗酸化作用」を持つビタミンの一つです。細胞の老化を防いだり、免疫細胞を活性化させ体内に侵入する細菌やウイルスから体を守ってくれる作用があります。
[ メ モ ]
活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンにはビタミンCのほか、ビタミンEやビタミンAがあります。
骨や血管を丈夫にする
ビタミンCはたんぱく質の一種であるコラーゲンの生成に関わり、血管や骨を丈夫にする働きを担っています。
コラーゲンといえば若々しい肌を保つのに必要な成分というイメージがありますが、皮膚だけではなく血管や骨、筋肉などにも存在しています。
ビタミンCが不足するとコラーゲンが正常に作られなくなってしまい、血管がもろくなったり骨が弱くなったりしてしまうのです。
骨の健康に関わる栄養素といえばカルシウムやビタミンDがありますが、スポーツなどに励む子供の骨折防止には、ビタミンCも重要であると言えますね。
貧血を予防する
ビタミンCと「非ヘム鉄」を同時に摂取することにより、鉄の吸収率が高まり貧血予防に役立つとされています。
鉄のうち、穀類や野菜類に多く含まれる「非ヘム鉄」は体内に吸収されにくい性質があります。一方、非ヘム鉄よりも吸収率が高いのが、肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」です。
日本人が摂取している鉄の多くは非ヘム鉄。そのため、鉄は日本人にとって不足しがちな栄養素の一つとなっており、特に2歳ごろまでの子供や思春期の子供では鉄が不足しやすいと言われています。
鉄を効率よく摂取するためには、ビタミンCも一緒に摂取して吸収率を上げることが必要なのですね。
ビタミンCはどのくらい摂取したら良い?

ビタミンCをどのくらい摂ったら良いのか、実際にはどのくらい摂れているのか、気になっているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、ビタミンCの1日当たりの摂取目安量や実際に摂取している量について見ていきましょう。
1日当たり摂取目安量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、ビタミンCの摂取推奨量・目安量を以下のように設定しています。
年齢等 | 推奨量(男性) | 目安量(男性) | 推奨量(女性) | 目安量(女性) |
---|---|---|---|---|
0~5(月) | - | 40mg | - | 40mg |
6 ~11(月) | - | 40mg | - | 40mg |
1~ 2 (歳) | 40mg | - | 40mg | - |
3~ 5 (歳) | 50mg | - | 50mg | - |
6~7(歳) | 60mg | - | 60mg | - |
8~9(歳) | 70mg | - | 70mg | - |
10~11(歳) | 85mg | - | 85mg | - |
12~14(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
15~17(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
18~29(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
30~49(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
50~64(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
65~74(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
75以上(歳) | 100mg | - | 100mg | - |
妊婦(負荷量 | - | - | +10mg | - |
授乳婦(負荷量) | - | - | +45mg | - |
ビタミンCの1日当たりの食事摂取基準
厚生労働省では、成人に対して期待したい効果(心臓病を予防や十分な抗酸化作用)を考慮して、12歳以上の摂取推奨量を設定しています。
1日当たりの平均摂取量
次は、ビタミンCの1日当たりの平均摂取量を、厚生労働省「令和元年度国民健康・栄養調査」の結果から確認してみましょう。
年齢等 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1~6歳 | 56mg | 49mg |
7~14歳 | 69mg | 66mg |
15~19歳 | 75mg | 81mg |
20~29歳 | 62mg | 62mg |
30~39歳 | 66mg | 65mg |
40~49歳 | 76mg | 74mg |
50~59歳 | 82mg | 88mg |
60~69歳 | 102mg | 118mg |
70~79歳 | 128mg | 135mg |
80歳以上 | 121mg | 116mg |
妊婦 | - | 83mg |
授乳婦 | - | 55mg |
食事摂取基準と比較してみると、小学生以上60歳未満の幅広い世代で不足傾向にあることが分かります。
つまり、成長期の子供や仕事に忙しい世代で摂取量が少ないため、この世代では特に意識して摂取することが必要であると言えますね。
ビタミンCを摂取する上での注意点

通常の食事が摂れている方については、過剰摂取による健康被害は報告されていません。
しかし、サプリメントなどの過剰摂取によって吐き気や下痢、腹痛などが生じる可能性があると言われています。
そのため、サプリメントを利用する場合には1日当たりの摂取目安量を守って摂取するようにしましょう。
ビタミンCを食事から適切に摂取する方法は?

ビタミンCは果実類、野菜類、いも類などに多く含まれています。
ビタミンCを多く含む食材
食品名 | 状態など | 含有量 |
---|---|---|
ピーマン(赤) | 生 | 170mg |
ゆず・果皮 | 生 | 160mg |
ピーマン(黄) | 生 | 150mg |
キウイフルーツ(黄) | 生 | 140mg |
アセロラ(10%果汁入り飲料) | - | 120mg |
レモン | 生 | 100mg |
かぶ(葉) | 生 | 82mg |
豆苗 | 生 | 79mg |
にがうり | 生 | 76mg |
ピーマン(青) | 生 | 76mg |
柿(甘柿) | 生 | 70mg |
キウイフルーツ(緑) | 生 | 69mg |
いちご | 生 | 62mg |
オレンジ | 生 | 60mg |
だいこん(葉) | 生 | 53mg |
れんこん | 生 | 48mg |
西洋かぼちゃ | 生 | 43mg |
豆苗 | 芽ばえ/生 | 43mg |
キャベツ | 生 | 41mg |
じゃがいも | 皮なし/生 | 28mg |
さつまいも | 皮なし/生 | 25mg |
摂取のポイント
ビタミンCは体の中で作ることができないため食事から摂取しなければいけません。
水溶性ビタミンのため水に溶けやすい性質を持つ上に熱にも弱いため、調理の際には水にさらし過ぎない、火を通し過ぎないといった工夫が必要です。
また、ビタミンCは体外に排出されやすいため、日常的に継続して摂取する工夫をしたりサプリメントなどを取り入れたりすると良いでしょう。
ビタミンCをサプリから摂取するには?

ビタミンCは身近で摂取しやすい食品に多く含まれているため、あまり不足を心配していない方も多いかもしれませんね。
しかし、厚生労働省の調査結果では意外と不足しがちな栄養素であることが分かりました。
食が細く偏食がちな子供やアレルギーのある子供ではより注意が必要そうですね。
健康のために欠かせない栄養素を効率よく摂取するには、適宜サプリメントを活用することもおすすめです。
ここでは、子供が手軽にビタミンCを摂取できるサプリメントをご紹介しましょう。
3時のサプリ 緑黄色野菜グミ
まずは「3時のサプリ 緑黄色野菜グミ」をご紹介しましょう。
5種類(にんじん、トマト、ブロッコリー、カボチャ、セロリ)の野菜パウダー入りで、野菜嫌いの子供にもおすすめのサプリメントです。子供の成長に欠かせないビタミン類(ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンE、β-カロテン)もバッチリ配合。ビタミンCの「栄養機能食品」として、健康に対する機能の表示が許可された商品です。
りんご味のグミタイプのサプリメントなので子供のおやつ代わりに良さそうですね。
- ビタミンB6:0.4mg、ビタミンC:80.05mg、ビタミンD:2.1㎍、ビタミンE:2.0mg、β-カロテン:1,000μg
- ※栄養機能食品(ビタミンC)
- 価格:2,036円(約60日分 税込・送料別) 1日3粒(約34円/日)
ビタミンC肝油ドロップ
「ビタミンC肝油ドロップ」は、ビタミンCが摂れる固めのゼリー菓子のような食感のサプリメントです。
本来「肝油」はビタミンAとビタミンDを補給するための医薬品として知られていますが、このビタミンC肝油ドロップはさらにビタミンCを加えた栄養機能食品です。
オレンジ風味で噛んで食べられるタイプのサプリメントで、子供から大人まで手軽にビタミン補給ができます。
- ビタミンA 400μg、ビタミンD 3.3μg、ビタミンC 50mg
- ※栄養機能食品(ビタミンA、D、C)
- 価格:2,500円(300粒入り 税込) 1日2~3粒(約17~25円/日)
砂糖が多く含まれる内容を入れる
おすすめの摂取方法
あくまで子供にとってもらうための参考の献立(サプリ含む)
まとめ

ビタミンCは強い抗酸化作用持つビタミンで、免疫力を高めたり血管や骨、筋肉を丈夫に保つ役割を担っています。
体にとって重要な役割を持っているビタミンですが、日本人の多くの世代で不足しがちな栄養素でもあるため意識して摂取するようにしてみましょう。
身近な食品に多く含まれているビタミンCは、食事でも十分摂取できます。しかし、性質上水に溶けやすく熱に弱いため、水にさらし過ぎたり加熱し過ぎたりして失われてしまわないようにすることがポイント。
特にビタミンCが不足しやすい成長期の子供などでは、効率よい摂取のために適宜サプリメントを活用するのもおすすめです。
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